これからマッチングに向けて動き出した医学生へ
どうやって病院を選ぶの?という疑問にお答えします!!
研修病院を選ぶ流れ
医師は,他の業種と異なり,「マッチング」という制度で最初に働く病院を決めます.
医学部6年生の夏頃に,初期研修をしたい病院で試験や面接をうけ,希望順に申し込みます
病院も受験した学生を希望順に並べ,”マッチ”させます.
詳しい制度などについては,本題から逸れますのではこちらをご覧ください→”民間医局 レジナビWeb”
研修病院を選ぶ前に
いきなり病院に申し込む!という前に,まずみなさんの考えをまとめましょう.
そもそも医師を目指したきっかけは?
あなたの最初の原動力は非常に大事です.
なんとなく,ということでも結構です.
あくまで考えをまとめることが目的ですので,今一度医師を目指したきっかけについて考え直してみましょう.
何に興味がある?何科を目指している?
次に,志望科です.
何に興味を持っているかで,志望科も変わります.
現時点で何に一番興味があるかでぼんやりと志望科を決めましょう!
どう考えても志望科が決まらない!という方ももちろんおられると思います.
決まっていない方でも,まずは内科系・外科系という感じでぼんやりでも大丈夫ですよ!
医学生であれ,初期研修医であれ,専門科に進んでからでも志望科の変更はもちろん可能です.
大きく志望科が変わるタイミングは以下の3つです.
①入学前・医学生の時に考える志望科
みなさんが思う,”イメージ”で志望科を考えます.
これまでの人生で触れた,”医師への思い”や”憧れ”から決める人もいるでしょう.
②初期研修医の時に考える志望科
実際に働いてみて,学生時代の目線とガラリと変わることもあります.
特に,2年という期間でどの専門医制度に乗るかを最終決定しないといけないので,
初期研修医のうちは意外と時間がありません.
現場に入り,志望科が変わることはままあります.
③後期研修医の時に考える志望科(どっちかというとキャリア)
専門医制度が変わり,専門医機構による固定コースになりました.
一度入ったコースがなかなか変更しにくいという欠点がありますが,
初期研修医の時に決めた科で,考え方が途中で変わることもあり得ます.
コースを変えるのは大変ですが,自分の1回しかない医師人生そのままで良いのか?は重大な決断です.
DYの志望科の変遷
- 高校生の時→国境なき医師団に行くんだ!(ぼんやりとした医師のイメージ)
- 医学生1-2年生→心臓血管外科って格好良い!外科で頑張る!
- 医学生4年生→外科は体力的に無理…というか総合診療科とか診断学って面白い!
- 初期研修医2年目→救急外来面白い!救急と総合診療をやる!
- 医師5年目→救急医としてシフト制でずっと働くの疲れた…訪問診療も良いなあ…
という感じでしたね.
外科→内科になり,そこからコロコロ変わりました.
今現在のスタンスとしては,
どんな初期研修のスタイルを望んでいる?
医学部を卒業し,どんな医師人生のスタートをきりたいですか?
バリバリしたところで研修したいのに,すごいのんびりとした雰囲気の研修医が多い職場だと,
(本当にここで自分はバリバリ働けるかな?)と思い返す必要があります.
ここから本題です,
研修病院を探す方法3つ+α
それぞれの手段におけるメリットとデメリットを頭の中に入れ,自分にとって価値のある情報を手に入れるようにしましょう.
まとめて以下の表にしました.
インターネット | 先輩の口コミ | 合同病院説明会 | |
手軽さ | 自宅ででき,最も手軽 | 先輩とのタイミング次第 | 日にちが決まっている |
情報の質 | 客観的なものが多い | 主観が入るが, 実体験に基づいている |
客観的なものから, 研修医の主観まで様々 |
注意点 | 表面的な情報であること | 先輩と自分の価値観の違い | 時間のない中, 多数の病院の説明を聞く必要がある |
おすすめ度 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
インターネット
いわゆる,インターネットで公開されている情報を見るのが一番最初と思われます.
メリットとしては,一番アクセスがしやすく,気軽にできます.
病院のホームページから,”民間医局レジナビ”などの情報を集約してくれているサイトまで様々あります.
どんな病院なのかな?と言った情報を手に入れるのに一番参照しやすいですね.
ここから得られる情報は,表面的なものばかりです.
”年間何台救急車を受けた”や”研修医・指導医の数”といったものですので,雰囲気はわかりません.
客観的事実のみ参考にしましょう
口コミ
次に,先輩・実際に働いている研修医からの口コミです.
メリットは,知り合いからの情報のため,表面的なこと以外にぶっちゃけて聞きやすい.
自分が入っている部活動・サークルの先輩などと会う機会があれば,
どんな病院見学をしたのか,どのように病院を選んだのかといったことは聞きやすいと思います.
ただしここは最も注意が必要です.
あくまで,その先輩・先生の意見だと思って聞くこと!!
話しやすく,(信頼している)先輩からの話である分,鵜呑みにすると危険です.
みんな価値観は異なるので,
- 先輩が働きやすいといっても,あなたが働きやすいかはわからない
- 先輩が給料が良いといっても,あなたのお金の価値観は一緒ではない
というように,一歩引いて意見を聞くくらいに留めておきましょう.
合同病院説明会
新型コロナウイルスの影響で開催が減ってしまいましたが,合同説明会も研修医と話ができる良い機会でした.
DYも自分の病院で何回か出展し,色々な学生と話をして考え方など参考になりました.
メリットは複数の病院が出展しているため,まとめて話が聞ける.
説明会を開催している会社のキャンペーンなどがある時がある(参加・紹介でamazonギフト券プレゼントなど).
友人と参加し,色々話し合いながら病院の説明を聞くことができる.
効率よく回れなければ,徒労に終わります!
研修医と話ができれば良いが,部長など上の先生からの話だと表面的な情報になることがある.
スーツで1日中動くため,気疲れする(いつでも休憩はできますが).
友人と考えが異なれば,自分に興味のない病院の話を聞きに行かないといけないことがある.
たくさんの病院からの勧誘が多く,「この病院の話を聞こう」という前提で説明会に参加しないと時間が無駄にすぎる.
(+α)病院見学先で研修医の先生に聞く
これは究極ですが,最も効率の良いやり方です.
ここは「病院見学前」を想定している記事であるため,また別の記事で紹介します.
ただしDYが最もお勧めしたい方法なので,ここでも簡単に紹介します.
「先生は他どこの病院に見学に行きましたか?」
と聞くだけです
まとめ
いかがでしたか?
この記事がみなさんの考えのもと,一つ目の見学する病院を選ぶ叩き台となればと思います.
<マッチングまでの流れ>