今回は救急安心センターでアルバイトをしたので,レビューしてみようと思います.
というのも紹介したくて記事にしました.
アルバイトを考えている若手医師たちへ,少しでも参考になれば.
アルバイトをおすすめする理由はこちらで書いています.
初期研修を終え,後期研修中の皆さん 後期研修を終えて,専門医を取得する前後の皆さん アルバイトしたことありますか? DYは後期研修とフェローの間は忙しく,アルバイトしようとも思っていませんでした. 現在訪問診療の勤務[…]
救急安心センターって?
住民のために,「いますぐ病院を受診するべきかどうか?」を判断してくれるセンターのことです.
”総務省 消防局「救急安心センター事業」 より引用”
基本的に医師は直接対応しません.看護師が対応し,医師は助言するのみです.
(医師が対応すると診療扱いになるのと,医療資源がそこまで割けないから?)
実施エリアは一部地域のみですが,総務省は普及を進めています.
<救急安心センター#7119実施エリア>
今回働いた施設について
私の地域の救急安心センターは消防局内にあるため,消防署へ行って仕事をしてきました.
署内の一角に救急安心センターの部署があり,小さなコールセンターのような配置でした.
(画像はイメージです)
基本設備
待機室:個室兼寝室,冷蔵庫と電気ポット・電子レンジあり
食事:なし,持ち込みか近隣で食べてくる
WiFi:なし
お風呂:なし
お風呂なしはきつかった…
どんな仕事内容?〜1日を振り返る〜
勤務時間:18時〜翌日8時
17:45 消防署に到着
センターに入り,職員に挨拶
待機室の鍵をもらい,荷物を置いて着替えます
(もちろん白衣でなくても,普通の格好でできます)
こんな感じのコールセンターのようなところです.
18:00 日勤の医師と交代し,机に座る【勤務開始】
消防署員1人(マネージャー)と看護師が2〜4名電話対応しています
机に置いてあるマニュアルを一読する
医師は直接対応しません
①看護師が直接やりとりをし,主訴に応じてトリアージをする.
②(必要であれば)医師に相談し,救急車が良いか自力受診かを判断する ←これが仕事です
③緊急であれば,救急車の手配を行う
④救急車が必要なければ,近隣の救急病院を紹介する
(署内で休憩するならスタッフに声かけ,PHSを持参すること等書いてありました)
上の画像のようにヘッドホンをつけ,電話がかかってきたら机のモニターにある番号が光ります.
電話に出るのは看護師で,夜勤は2-3人体制で回しているそうです.
ヘッドホンのチャンネルを番号に合わせると,会話の内容が聞こえます.
→電話をしている場所,症状のある人の年齢,どんな症状か?などからトリアージします
相談相手とは看護師のみが対応しますが,看護師から稀に医師に相談が来ます.
<1日で実際にDYに来た相談例>
- 異物誤飲後,元気そうにしている小児.トリアージは黄色であるが,様子見で良いか?
- 胸痛と動悸を主訴の青年.トリアージは黄色であるが,自力で受診できるとのことで救急要請は不要か?
- ペースメーカ留置中の方のアラート音.留置したかかりつけがみてくれないためどうすれば良いか?
…など.
基本的に「良いと思います」と返事するだけです
20:00 食事のため席を外す
机のホワイトボードに自分の携帯電話番号を書いて,
近くのハンバーグ屋さんにご飯食べに行きました.
(電話かかってこず)
21:00 食事休憩終了
席についてまたヘッドホンをつけます.
なお,ヘッドホンからは1通話しか聞こえないため,適宜切り替える必要があります.
ちなみに相談が来るまで,DYはずっと携帯を触っているか,パソコンでブログを書いていました.
子供の泣き声が後ろで聞こえている中お母さんが必死に電話しているのを聞くと
胸が痛くなりました…
23:00 リーダーに寝ますと言って待機室へ
24:00 就寝
(夜中も1-2件相談がかかってきました…)
07:30 起床
買っていた朝ごはんを待機室で食べて片付けし身支度
派遣会社で指示されている”勤務カード”をボックスに提出します
08:00 日勤の医師が出勤され,静かに交代【勤務終了】
翌日もメインの勤務先へ…
お給料は?やりがいはあった?
ぶっちゃけ給料はこんな感じです(出務依頼書より).
ほぼ寝当直,対応しないし診療もしないので,かなり楽でした.
日勤は割り切らないと大変だろうなと思いました…
DYの評価(救急安心センター)
給料:
1泊がこの労働量でこの額であれば文句なし!
やりがい:
自分の時間を売っている感じがしました
やっぱり診療する方が自分に合っているような…
総合評価:
やりがいが少し低めでも,給料と労働力からはなかなか満足しました.
どうやって申し込むの?
今回は私の当時所属していた施設が斡旋しており,間に人材仲介業者が介入していました.
施設としては,救命センターがある高次医療機関がほとんどでしたね.
科はバラバラです.各内科・産婦人科・小児科など様々な先生が勤務していました.
しかし,斡旋で埋まらない分が派遣会社により公募されています.
メディカル・コンシェルジュ
メディカル・コンシェルジュは求人は多くはありませんが,少し毛色の違うイベント救護など,様々なジャンルの求人が案内されています.
メールでの求人案内となり,自身で検索すると情報が遅いため他の業者との競合には負けたりしてしまうことが欠点です.
独占で仲介している案件では,面白い内容の勤務もあります.
まとめ・感想
救急安心センターのアルバイトレビューでした.
医師じゃないとこのような仕事ができないんだなあと良い経験になりました.
このセンターは全国の一部の地域しか運用されていないため,機会があればぜひおすすめします!